今、連携が求められている!介護における医療や地域との連携について

課題も抱えている地域包括支援センター

地域包括支援センターは、2005年の介護保険法で制定された、地域の人たちの介護予防や保健、福祉や医療の向上など、日々の生活を総合的にサポートする機関です。地域包括支援センターには、保健師や主任ケアマネジャー、社会福祉士が配置され、その専門性を生かして相互に連携しながら業務にあたります。法律上は市町村などの自治体が設置しますが、外部へ委託される場合もあります。高齢者の暮らしをサポートする拠点として、高齢者本人とその家族、地域住民を支える窓口となっています。また、介護認定で要支援と認定された人の介護予防のマネジメントを行う役割もあります。

地域包括ケアシステムは、高齢者が慣れ親しんだ地域で介護や医療、支援などのサービスやサポートを包括的に受けられるような体制を整えていくことがポイントです。そのためには、高齢者の住まいを中心として、介護スタッフと医療スタッフが連携してケアの方針を決めていくことが求められます。しかし、医療現場では医療と介護は別物という認識が根強く残っているという現状があります。介護と医療の連携が、地域包括支援センターが中心となって機能していくことが今後の課題と言えます。

また、地域包括ケアは地域にその役割を任せる仕組みです。そこで問題となるのがサービスやサポートの地域格差です。その地域の高齢者に対するサービスやサポートは、地域によってバラつきがでてしまうことも考えられます。大切なのは、住み慣れた地域で要介護、要支援の高齢者や家族がサポートを受け暮らしやすい地域であることです。こうした課題に取り組みしっかりとした体制づくりが求められています。